2018/12/04 14:12
私たちは農園に一切のケミカルを持ち込まない農法でレモン、ハーブを育てています。
有機肥料も使いません。
慣行農家さんを否定するということではなく、リペアフード栽培の手法としてこの農法を実践しています。
原始のレモンはどんな味がするんだろう。そんな興味もありました。
レモンは肥料食いと言われる果実なので、無施肥では通常の25/1しか収穫できない事がわかりました。
これがフルオーガニックレモンが世の中に無い理由です。
それでも毎年いろいろ試行錯誤をして、少しずつですが収量が上がってきています。
肥料が与えられないという事は、そこにあるものでレモンは花を咲かせ結実しなければなりません。
太陽、雨、空気、様々な雑草。
開拓の時から草は敵だと思い、草刈り作業では根こそぎ刈っていました。
作業後はさっぱりきれいになり、掃除の後のように気持ちよく感じていました。
ある日気付きました。
農園にはたくさんの小さな虫が暮らしています。草がなくなってしまうと住処がなくなり彼らもどこかに行ってしまいます。
草を膝丈くらいまで残してあげると、多くの虫が集まって繁殖し、それを目当てに爬虫類が現れ、小動物やイノシシまで暮らすようになりました。
どうやら昆虫にとってもボーボーな荒れ地より風が通り陽が入るくらいの草丈が心地良いようで、瞬く間に農園はビビットな生命感で満ち溢れるようになりました。
多種かつ大量の生命がここで一生を過ごし、朽ち果て、微生物に分解され、やがてレモンに繋がります。
命のゆりかごを整えることで食物連鎖を活性させ、微生物を含めて多様化することで、農園丸ごとを発酵させるという見知に達しました。
中でもクモたちは大切なパートナーです。カメムシが大量発生し、地域の農家さんが大量に農薬を撒いたと嘆いていた時、私たちの農園では彼らはカメムシを食べ丸々と太っていました。
デリケートなクモは農薬の缶を置いただけで翌日いなくなるそうです。
この方法でどこまで収穫量が上げられるか、わたしたちも楽しみに農作業を行っています。